日本という国
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006 ※「消費税増税(8%から10%へ)」の「再延期」 当初、2015年10月に予定していた「10%」への「消費税増税」は、一度、「2017年4月まで」に1年半延期された。今回は再延期になる。 安倍首相は、「再延期」の理由を次のように語った。 「世界経済はこの1年、想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している。新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面している。世界経済が成長のエンジンを失いかねない。世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念される。日本も構造改革の加速や財政出動などあらゆる施策を総動員しなければならない。そこで、内需を腰こし折おれさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した」 そして、「大胆な経済政策を講じ、構造改革を断行し、民間投資を喚起する。全体の所得の底上げを図り、内需を拡大していく」方針を明らかにした。 増税の先送りで、1~2年は、「個人消費」が伸びるというプラス面が期待される。しかし、賃上げなど雇用条件の改善が伴わなければ、消費の本格的な回復は望めない。 ※「社会保障」の財源は? 「消費税増税」の先送りによって、「社会保障」の財源が足りなくなるのは避けられない。 「消費税」を2%引き上げることで見込まれる約4兆円は、すべて社会保障に充あてる計画だった。従って、所得が少ないお年寄りや障害者への給付金、保育所の運営費など、「消費税」の増収分を充てるはずだった「社会保障」の財源を新たに確保しなければならない。 「国民の生存権」を守るための「社会保障」には、医療、介護、年金、生活保護、社会福祉などの制度がある。「高齢化」などで、医療、介護、年金など国の「社会保障費」は、毎年約1兆円増えている。2106年度の「社会保障費」は31兆9千億円で、国の総予算の約3分の1を占めている。 「民主党政権」当時の2012年、国民に安定した「社会保障」を確保するため、民主党(当時)・自民党・公明党の3党は、「社会保障」の充実・安定財源確保と「財政健全化」の両立を目指す「社会保障と税の一体改革」で合意した。この時、「消費税の10%への引き上げ」が、「3党合意」で決まった。しかし、2015年10月に、「2017年4月まで」延期した時点で、「3党合意」は崩れていた。 「民みん進党しんとう」(2016年に、民主党を中心に結成された新党)など野党は、「『アベノミクス』はうまくいっていない。間違ったエンジンをふかしても経済成長にはつながらない。失政の責任を世界経済に転てん嫁かするのは無責任だ」と批判している。 これに対して、安倍首相は、「消費税増税」の再延期と「社会保障」の財源について、「アベノミクスを加速させて税収を一段と増やし、可能な限り社会保障を充実させる。保育の受け皿・50万人分の確保など、保育所や介護施設の拡充などは予定通り実施する。保育士、介護職員の処遇改善などの施策は、財源を確保して優先して実施していく」と語った。

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