日本という国
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108 ・鰯いわし雲ぐも 秋空に浮ぶ白い雲が魚の鱗うろこのように並んでいる様子をいう。 漁師の間で、この雲が出ると鰯の大漁、という言い伝えから。 鯖さば雲、鱗うろこ雲ともいう。 ・天高く馬肥こゆる秋 空が高く澄んで晴れわたっている「秋」は、馬は草をたくさん食べて、肥えて大きくなる。人も食欲が増して、なんでも美味しいので、食べ過ぎてしまう。 そんな「食欲の秋」を象徴する言葉。 ・秋の風-秋風 人々は、「秋」に吹く風に寂しさ、わびしさを感じる。 「厭あきる」と「秋」をかけて、男女の心変わりを「秋風が吹く」という。 「石山の 石より白し 秋の風」(松尾 芭蕉) 「物云えば 唇寒し 秋の風」(松尾 芭蕉) ・菊-菊人形 「菊」は奈良時代(710年~784年)末期に中国から渡来した。 香りが高く花は美しい。大菊、中菊、小菊などさまざまあり、色は黄色、白、赤紫が多い。 薬用、観賞用、食用として親しまれているが、江戸時代(1603年~1867年)には主に観賞用として栽培された。 三さん杯ばい酢ず(酢、醤油、砂糖・みりん)で食べる菊の花は、歯ざわりと爽やかな風味が好まれている。 「菊」は皇室の紋もん章しょうになっている。 「菊」の花や葉を衣装にしたのが「菊人形」。歌舞伎の場面を再現したり、人気俳優や物語の主人公に似せて作る。 「菊の香や 奈良には古き 仏たち」(松尾 芭蕉) 「黄菊白菊 そのほかの名は 無くもがな」(服部はっとり 嵐らん雪せつ)

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