日本という国
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109 十月(神無月) ・秋祭り 穀物こくもつの実りに感謝して、豊作を喜ぶ祭。神社などで繰り広げられる。 ・秋分の日 9月23日頃。「秋」の彼岸の中日。「祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ」ための「国民の祝日」。この日から夜の時間が長くなる。 ・秋の暮れ 「秋」の日はあっという間に暮れていく。人は、そんな「秋」の夕暮れに、特に、寂しさと、わびしさを感じる。 清少納言の随筆「枕草子」は、「春は曙」とともに、「秋は夕暮れ」を称賛している。 「この道や 行く人なしに 秋の暮」(松尾 芭蕉) 「枯枝に 烏からすのとまりたるや 秋の暮」(松尾 芭蕉) ・紅葉もみじ狩がり 「秋」が深まると、落葉樹、なかでも、楓かえで、ななかまど、銀杏いちょう、柿かき、漆うるしなどの葉が赤や黄色に変わる。紅葉した山や木々の美しさを鑑賞することを「紅葉狩り」という 川や湖に舟を浮かべて岸辺や山の紅葉を眺めて楽しむ。 日本人は自然を愛し、自然の草、花、木を大切にする。 「きらきらと 紅葉まばゆし 藪の中」(正岡 子規) 「紅葉見や 顔ひやひやと 風渡る」(高たか桑くわ 蘭らん更こう) ・秋深し 「秋」が深まると、周囲の光景に静けさや哀れさ、寂しさを感じる。 「秋深し 隣は何を する人ぞ」(松尾 芭蕉) ・時代祭 10月22日、京都市の平安へいあん神宮じんぐうで行なわれる。 京都御ご所しょから平安神宮まで4.5㌔にわたって、約2千人が、平安時代(794年~1192年)以降の歴史と風俗を再現した衣装で練り歩き、時代絵巻を繰り広げる。 平安神宮には、都を奈良から京都に移して千年の都みやこの基礎を作った桓かん武む天皇が祭られている。 5月の葵あおい祭、7月の祇ぎ園おん祭とともに「京都三大祭」の一つ。 ・鮭 「鮭」は、「秋」から「冬」に川をさかのぼって産卵する。卵は、約2カ月で稚魚になり、春に海へ下る。4年後の秋に産卵した川へ戻る。 近年、「鮭」の人じん工こう孵ふ化かが盛んで、稚ち魚ぎょを川に放流するなどで、漁獲量も増えている。 川を遡ってくる直前の「鮭」が美味しい。塩焼きやフライや鍋料りょう理りなど。 一匹の鮭を塩に漬けた「新あら巻まき鮭じゃけ」は、お歳せい暮ぼや正月の贈り物に使われる。 「鮭」の卵を一粒ずつ食塩水に漬つけたのは「イクラ」。 「もの影の ごとくに鮭の さかのぼる」(阿部あべ 慧けい月げつ)

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