日本という国
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124「伝統文化」に五章「芸術」一節=ごしょう 自然を生活に取り込んで楽しむ日本人の心が「華道(生け花)」の歴史と伝統を支えてきた。 温和な気候と変化に富んだ風土が草花の生育に適し、「春夏秋冬」それぞれに草花が咲き乱れ、美しい自然が形成されてきた。日本人は、恵まれた自然の中で生活し、花や草や木と深く関わってきた。そして、日本の自然の特徴である四季折々の美しさと変化が「華道」という伝統芸術を生んだ。 自然の中にある花や草木の美しさを再発見することが「華道」につながった。 古く万葉集まんようしゅう、伊勢いせ物語ものがたり、枕まくらの草子そうしにも、「華道」のことが記されている。 「華道」は、江戸時代(1603年~1867年)中頃以後、十流百家と呼ばれるほど、多くの流派が生まれ、広く普及した。 日本人は自然を愛し、草花を神や仏に供えた。 儀式のために飾り、自然との間で心を通わせることを目的に花瓶に挿し、鑑賞の対象としてきた。 自然の美しさを壊すのではなく、美しい草花を一層美しいものに作り上げて楽しんだ。 「華道」は、生活の中で「花を生ける芸術」として定着した。家庭で花を生けている人を含めると、「華道」人口は2千万人を超えている。 「華道」の振興を目的に組織された財団法人「日本いけばな芸術協会」には300を超える流派が加盟し、毎年、東京か大阪で「日本いけばな芸術展」が開かれている。 [一・「華か道どう(生いけ花ばな)」]

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