日本という国
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009※ アジア外交 アジア外交では、「中ちゅう国ごく」や「韓かん国こく」との間で、「歴史・領土」をめぐる対立が尾を引いている。政府の対応次第で、両りょう国こくとの関係悪化が顕けん在ざい化かする恐れが常にある。 2013年12月、安倍首相が靖やす国くに神じん社じゃを参さん拝ぱいしたことで、A級きゅう戦せん犯ぱん合ごう祀しへの批判などから、「中国」や「韓国」が反発し、米国が「失望」を表明、ロシアが「遺い憾かんの念」を示し、EU(欧州連合)は「慎重な外交」を求めた。 日本は、「中国」に対して「緊密な経済関係や人的・文化的交流を有し、切っても切れない関係になる」と位置付けている。しかし、「中国」との間では、「旧日本軍の侵略」などに関する「歴史認識」をめぐる対立は根深い。さらに、沖縄県の「尖せん閣かく諸しょ島とう」(中ちゅう国ごく名めいで釣ちょう魚ぎょ島とう)の領有権をめぐって、日中間で、大きな食い違いを見せている。今後、幅広い分野での「戦せん略りゃく的てき互ご恵けい関係」を深めることが出来るか、が焦点だ。 一方、日本は、「韓国」に対して「日本にとって最も重要な隣りん国ごく」としている。 「韓国」との間で最大の懸案だった「従じゅう軍ぐん慰い安あん婦ふ問題」で、日韓両政府は2015年12月、「日本政府が当時の軍の関与や政府の責任を認め、元もと慰安婦支援で韓国政府が新たに設立する財団に日本から10億円を拠きょ出しゅつする」ことで合意した。 「従軍慰安婦問題」とは、旧日本軍が「朝ちょう鮮せん半はん島とう」、「中国」、「フィリピン」などの女性を戦地へ連行し、軍の慰安所で強制的に働かせた、という問題。 「韓国」との間では、島しま根ね県けんの「竹たけ島しま」をめぐる領有権問題が尾を引いている。 また、「北きた朝ちょう鮮せん」(朝ちょう鮮せん民みん主しゅ主しゅ義ぎ人じん民みん共きょう和わ国こく)との間では「拉ら致ち問題」や「核かく」、ミサイル問題などで、厳しい対立が続いている。「拉致問題」とは、1970年頃から80年頃にかけて、北朝鮮による日本人拉致が多発し、現在、17人が政府によって拉致被害者と認定されている。2002年9月に「北朝鮮」は日本人拉致を認め、同年10月に5人の被害者が帰国したが、その後、他の被害者については、「北朝鮮」から回答がない状態が続いている。 ※ オバマ米大統領の「広島」訪問 米国のオバマ大統領は2016年5月27日、米国の大統領として初めて被ひ爆ばく地ち・広島を訪おとずれた。平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、原爆死し没ぼつ者しゃ慰い霊れい碑ひに献けん花かした。 オバマ大統領は、「(広島に原爆が投とう下かされた)1945年8月6日の記憶を薄れさせてはならない」と次のように語った。 「71年前、死が空から降り、世界が変わった。閃せん光こうと炎の壁が都市を破壊し、人類が自らを破滅させる手段を手にしたことが示された」 「米国のような核兵器保有国は、恐怖の論理にとらわれず、核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」 しかし、核軍縮への道は停滞が続いており「核兵器なき世界」の実現はほど遠い。 「核兵器なき世界」を実現するために、「戦争で核兵器を使った唯ゆい一いつの国」である「米国」が主導権を行使できるか、「唯一の戦争被ひ爆ばく国こく」であり、非核三原則を国こく是ぜとする「日本」がどのような役割を果たすことができるか、それが問とわれている。

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