日本という国
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1441882年(明治15年)に、嘉か納のう治じ五ご郎ろうが東京・文京区に道場を開いて講道館を創立したのが柔道の始まり。「体が小さく、大きな者にいじめられたので強くなりたいと思った」嘉納治五郎は、いろいろな柔術の優れたところを集め、危険なところを除く工夫と研究を加え、新しい「柔道」を創始した。 「柔道」の精神を「精力善用・自他共栄」と表現した。攻撃と防御によって、「身体を鍛錬して強健にし、精神の修養にも努めて人格の完成を図り、社会に貢献する」のが目的。 「柔じゅう能よく剛ごうを制せいす」が「柔道」の神髄を表現する言葉だ。「柔和な技の持ち主が力の強い者に勝つ」という意味。「柔道」を「やわら(柔やわら)」とも呼ぶ。 「柔道」では、「内に礼を」の精神を深め、「外に礼法を正しく守る」ことが要求される。「礼」は、相手の人格を尊重し、敬意を表すこと。「礼に始まり、礼に終わる」精神が大切で、試合や練習の前後に互いに礼(あいさつ)をする。 「柔道」については、『「柔道」の基本は「受身」。「受身」とは、「ころぶ」練習、「負ける」練習』、「人の前で恥をさらす」練習』と言われる。 「黒帯くろおび」が柔道のシンボル。初段以上の有段者が締める帯をいう。柔道を始める人たちの最初の目標だ。外国でも「クロオビ」という。 ◇ 柔じゅう道どう衣ぎ 上うわ衣ぎ(上着)と下した穿ばき(ズボン)と帯(ベルト)を総称して「柔道衣」という。 上衣と下穿は伝統的に「白」を使用。しかし、試合の時、審判や観客が選手を見分けるのが難しいため、国際柔道連盟は1997年(平成9年)10月、試合では、「一方が白色、もう一方が青色」と決めた。 「柔道」が日本の武道であり、白い柔道衣が柔道の象徴だった。このため、日本では「カラー柔道衣」への抵抗感が少なくなかった。しかし、柔道の世界的な発展にプラス、と判断し、日本も受け入れた。 日本国こく内ないの大たい会かいでは、「白い柔道衣」だけが使わている。 ◇ 体重別 以前は、体重に関係なく「無差別」で行われたが、1964年の第18回・東京オリンピックから「体重別」に変わった。 東京オリンピックの時は、無差別級、重量級(80 kg超)、中量級(80 kg以下)、軽量級(68 kg以下)の四階級の体重別だった。 その後、体重別がさらに細かくなった。 現在、男子は「60 kg以下、66 kg以下、73 kg以下、81 kg以下、90 kg以下、100 kg以下、100 kg超、無差別級」、女子は「48 kg以下、52 kg以下、57 kg以下、63 kg以下、70 kg以下、78 kg以下、78 kg超、無差別級」、とそれぞれ八階級に分かれている。 世界柔道選手権大会や日本で最も格式の高い全日本柔道選手権大会では無差別級もあるが、オリンピックは無差別級を除く七階級で行われる。

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