日本という国
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012「東日本大震災」の前、日本にある「原発54基」の1年間の電力量合計は、国内の総発電電力量の26%をまかなっていた。そして、54基ある原発を、2030年までに14基増設して総電力量の約半分をまかなうことが、従来の「エネルギー基本計画」だった。しかし、「福島第一原発」の事故で、電力の供給を原子力発電に依存することの危険が認識され、その現状から抜け出す「脱・原発」が大きな政策課題になった。 当時の「民主党」政権は「脱・原発」を進める立場から、「2030年代に『原発ゼロ』を目指す」政策を打ち出した。2012年5月5日、北ほっ海かい道どう電でん力りょく「泊とまり原発」3号機が定期検査のため発電を停止し、国内の「原発」がすべてストップした。しかし、2012年8月に、民主党政権は電力不足を避けるため、関かん西さい電力・大おお飯い原発(福ふく井い県けん)の営業運転を再開。 2012年9月には、原子力規制委員会が発足。「原発」を再び運転する再さい稼か動どうには、ストレステスト(地震や津波にどれだけ耐たえられるかの耐たい性せい評ひょう価か)や、地元自治体の承認が必要になった。 そして、2013年9月に、大飯原発4号機が停止し、再び「原発ゼロ」となった。 安倍内閣は2014年4月、旧「民主党」政権が掲げた「原発ゼロ」を転換し、「原子力は重要なベースロード電源」と位置づけ、「原発」を主要な電源の一つとして、安全性が確認できた「原発」から再稼動していくことを決めた。「ベースロード電源」とは、季節、天候、昼夜を問わず、一定量の電力を安定的に低コストで供給できる電源、のこと。 九きゅう州しゅう電力は、原子力規制委員会の新しい規制基準を満みたした川せん内だい原発1、2号機(鹿児島県)を、地元の鹿児島県や薩さつ摩ま川せん内だい市しの同意を取り付け、2015年8月と11月に再稼働させた。1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」は終わり、再び、「原発」による電力供給が始まった。その後、新たな原発の規制基準のもとで稼働した「原発」は、2016年8月までに、関西電力・高浜たかはま3、4号機(福井県)、四し国こく電力・伊い方かた原発3号機(愛え媛ひめ県)を合わせて3か所5基きとなった。 このうち、関西電力・高浜3、4号機は、大おお津つ地方裁判所(滋し賀が県)の運転差し止めの仮処分決定を受けて、停止中。同じ運転差し止めの仮処分決定が2015年4月、福井地方裁判所(福井県)で出ている。裁判所の判断で運転中の「原発」が止とまったのは初めて。 「福島第一原発事故」を受けて、原子炉等規制法が改正され、「発電用原子炉を運転できる期間を原則40年とし、原子力規制委員会が認めれば1回だけ最長20年延長できる」と定められた。そして、原子力規制委員会は2016年6月、運転開始から40年を超えた関かん西さい電力「高たか浜はま原発」1、2号機(福井県)について、「60年」までの運転延長を認可した。関西電力の安全対策工事に3年以上かかるとみられ、実際の再稼働は2019年秋以降になる見込み。 「福島第一原発事故」後、電力各社は「40年前後」の老ろう朽きゅう原発6基の「廃はい炉ろ」を決めたが、「35年以上」の原発は「高浜原発」以外に5基あり、「運転延長」の可能性のある「原発」もある。2017年で運転開始から40年となる四し国こく電力「伊い方かた原発」1号機(愛え媛ひめ県けん)など6基(東京電力福島第一原発を除く)が、2016年(平成28年)7月までに、「廃炉」が決まっている。

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