日本という国
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013「原発」敷しき地ち内ないで、「活かつ断だん層そう(今後も地ち殻かく活動の可能性のある断層)の真ま上うえに原子炉建たて屋やを建設する」ことは認められていない。また、原発の新しい安全基準として、原子炉の冷却などが遠えん隔かく操そう作さできる「第2制せい御ぎょ室しつ」の設置や、大きな津波を防ぐ防ぼう潮ちょう堤ていの建設が義務づけられるなど、「原発」再稼動のハードルは高い。今後、原子力規制委員会の調査結果次第では、「廃炉」となる「原発」も考えられる。 仮に、「40年で廃炉」となれば、「東日本大震災」前に日本にあった54基の「原発」は2020年末に36基、2030年末には18基となる。 「福島第一原発事故」は、各国の原発政策にも大きな影響を与えた。 「ドイツ」は2011年5月30日、国内にある17基すべての原子力発電所を2022年末までに停止すると発表した。電力の8割を「原発」に依存する「原発」大たい国こくの「フランス」でも、「脱・原発」の動きがある。 エネルギー政策 安倍内閣は2014年4月、新たな「エネルギー基本計画」を決定し、旧・民主党政権が掲げた「原発ゼロ」を転換した。「原子力は重要なベースロード電源」と位置づけ、原発を主要な電源の一つとして、安全性が確認できた原発から再さい稼か動どうしていくことを決めた。 (「ベールロード電源」とは、季節、天候、昼ちゅう夜やを問わず、一定量の電力を安定的に低コストで供給できる電源、のこと) 同時に、「再生さいせい可か能のうエネルギー」の発電量の割合を「2030年に約2割」という過去の目標を上回ることをめざしている。「原発」を除くと、日本の暮らしや産業で消費されるエネルギーの中心は石油や石炭、天然ガスなどの「化か石せき燃ねん料りょう」だが、コスト面や二酸化炭素(CO2)の排出の問題がある。「原発」や「化石燃料」に頼らない新しいエネルギーの開発がカギとなる。 「脱・原発」に向けて、安定的なエネルギー供給のため期待されているのが「自然エネルギー」だ。太たい陽よう光こう、風ふう力りょく、中小水力(3万㌔ワット未満)、地ち熱ねつ、木もく材ざいなど有機物のバイオマス燃料などがある。潮ちょう流りゅうや波なみを利用した海洋発電の研究も進んでいる。 これらの「自然エネルギー」は、いずれも「再生可能エネルギー」で、資源が枯こ渇かつすることはなく、発電時に二酸化炭素をほとんど排出しない、地球にやさしいエネルギーだ。「自然エネルギー」の発電能力(水力を除く)は、まだ、総発電量の数%。これを飛躍的に増大することが出来るか、がエネルギー問題のカギを握っている。 「自然エネルギー」の普及・拡大のため、2012年7月に、自然の力を利用して発電した電力(再生可能エネルギー)を、電力会社が固定した価格で全量買い取る「固定価格全量買い取り制度」がスタートした。電力会社が一定期間(10~20年)、固定価格で買い取り、「自然エネルギー」を増大させるのが目的。また、「自然エネルギー」普及のために、電力会社の発電と送配電部門を切り離す「発はつ送そう電でん分ぶん離り」が2018年をめどに検討されている。 そして、電力需要を抑制し、節電を進める「省エネ」社会の実現も不可欠だ。

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