日本という国
172/235

168 におもしろい。日がすっかり沈んでから、風の音や、虫の声などが聞こえてくるのは、これもまた、改めて言うまでもなく趣のあるものだ。 冬は早朝に限る。雪の降っている朝のおもしろさは言うまでもなく、霜が降りてたいそう白い朝もいいし、また、雪や霜がなくても、大変寒い朝に、火などを急いで起こして、炭火を持って御ご殿てんの廊下などを運んで行く情景も、いかにも冬の朝に似つかわしくよいものだ。しかし、昼になって、だんだん寒さがゆるんでくると、丸い火鉢の火も、誰も面倒を見ないので白い灰が多くなって、よくない。

元のページ 

page 172

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です