日本という国
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188 《石川啄木の代表的な歌》 ・たはむれに 母を背負ひて そのあまり 軽かろきに泣きて 三歩あゆまず ・東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹かにとたはむる ・やはらかに 柳やなぎ青あおめる 北きた上かみの 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに ・かにかくに 渋民村は 恋しかり おもいでの山 おもいでの川 ・ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな ・いのちなき 砂のかなしさよ さらさらと 握れば指の あひだより落つ ・大だいといふ 字を百あまり 砂に書き 死ぬことをやめて 帰り来れり ・石をもて 追はるるごとく ふるさとを 出でしかなしみ 消ゆる時なし ・函館の 青あお柳やぎ町ちょうこそ かなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花 ・友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ ・はたらけど はたらけど猶なお わが生活 楽にならざり ぢっと手を見る

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