日本という国
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191おばあさんは、桃を拾い上げて家に持って帰りました。 夕方になると、おじいさんが帰って来たので二人で食べようと、まな板の上に桃を載のせて切ろうとしました。 すると、大きな桃はパッと割れて、中から可愛い男の子が飛び出しました。 男の子は、元気よく「おぎゃあ。おぎゃあ」と大きな泣き声を出しました。 子供のいないおじいさんとおばあさんは大喜びで、男の子に「桃太郎」という名前をつけて大事に育てました。 「桃太郎」はご飯を一杯いっぱい食べると一杯分、二に杯はい食べると二杯分大きくなり、「一」教えると「十」まで覚え、「十」教えると「百」まで覚えました。 こうして、「桃太郎」はぐんぐん大きくなり、気がやさしくて力持ちで、賢い若者になりました。 そのころ、村の近くにある「鬼おにヶが島しま」から悪い鬼どもが村に出てきて、村の人に乱暴したり娘をさらったり、物を盗んだりして、村人たちを大変困らせていました。 そのことを知った「桃太郎」は、ある日、おじいさんとおばあさんの前で両手をついて、「おじいさんとおばあさんのお陰で、こんなに大きくなりました。ご恩返しに、「鬼ヶ島」へ鬼退治に行ってまいります」と言いました。 おじいさんとおばあさんはびっくりして、止めさせようとしました。 しかし、「桃太郎」の気持ちが固いので、「鬼ヶ島」へ行く「桃太郎」のために、日本一の「きび団だん子ご」をたくさん作りました。 「桃太郎」は、おばあさんに作ってもらった「きび団子」を腰に下げ、新しい鉢巻 をして、刀を差して、「日本一の桃太郎」と書いた旗を持って出発しました。 村はずれまで来ると、犬が「ワンワン」吠えながら「桃太郎」に聞きました。 「桃太郎さん、桃太郎さん、どこに行くのですか?」 「鬼ヶ島へ鬼退治にいくところだ」 「わたしを家来にしてください。お腰につけたきび団子を、一つください」。 「よしよし。きび団子をやろう。これを食べれば十人力になるぞ」。 「桃太郎」は、犬にきび団子を一つやりました。 同じように、「ケーン、ケーン」と鳴きながらやって来た雉きじも、「桃太郎」からきび団子を一つもらって家来になりました。 「桃太郎」が、犬と雉を連れて「鬼ヶ島」へ向かって行くと、今度は、猿さるが「キャー、キャー」と叫びながらやって来ました。そして、猿も「桃太郎」の家来になりました。 「桃太郎」は犬と雉と猿の三匹の大将になって、勇いさんで「鬼ヶ島」へ行きました。

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