日本という国
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192 「桃太郎」たちが「鬼ヶ島」に着くと、大きな黒い門が立っていました。 猿がその門をドンドン叩くと、中から赤鬼が「ど~れ」と言いながら出て来ました。 「桃太郎」は、「我こそは、日本一の桃太郎だ。鬼どもを退治に来た。覚悟しろ!」 と刀を抜いて切りかけました。 近くにいた小さな鬼は大騒ぎしながら、奥の方へ逃げて行きました。 奥では、たくさんの赤鬼や青鬼が、村から奪ってきた「ごちそう」で酒さか盛もりの最中でした。 「何?桃太郎?何だ、子供じゃないか」と、鬼どもは馬鹿にしながら、「桃太郎」たちにかかってきました。 「桃太郎」と犬、雉、猿は、日本一のきび団子を食べているので、みんな千せん人にん力りきになっていました。 大きな鬼を相手に、「桃太郎」は刀を振るい、犬はかみつき、雉は空から突っ付き、猿は引っかきました。 鬼たちは「助けてくれ~、助けてくれ~」と逃げ出そうとしました。 そこで、「桃太郎」は「待てっ。逃がさないぞ」と、鬼の大将を捕まえて「えいっ」とばかり、頭の上に持ち上げました。 すると、鬼の大将は、涙をボロボロ流しながら、「桃太郎」の前に手をついて、 「命だけはお助けください」と、謝あやまりました。 「桃太郎」は、「これから村の人たちをいじめたりしない、と約束すれば助けてやろう」 と、言いました。 鬼の大将は、「これからは決して悪いことは致しません」と誓い、宝物を全部、「桃太郎」に差し出しました。 「桃太郎」は、おじいさんとおばあさんのお土産みやげにするために、たくさんの宝物を車に積みました。 その車を、犬と雉と猿が、「えんやらや、えんやらや」と引いて、村へ帰りました。 おじいさんとおばあさんは大喜びで、「桃太郎」たちを迎えました。 それから、村は平和な楽しい村になりました。 そして、村人たちは「桃太郎」の勇気と強さをほめ称たたえました。 [三・「一いっ寸すん法ぼう師し」] 昔、ある所に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。子どもがいない二人は寂しく暮らしていました。そして、朝晩、神様にお願いをしました。 「指より小さい子でもいいですから、一人授さずけてください」。 すると、どうでしょう。不思議なことに、指先ゆびさきほどの小さい男の子が生まれました。おじいさんとおばあさんは大変喜び、「一寸法師」と名付けて、たいそう可愛がり、大事に育てました。

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