日本という国
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200じょれつ「序列社会」三節= ◇「一いっ体たい感かん」の序列社会 ◇ 日本人は自分が集団に属していることで安心感を抱き、一体感を得る。 集団の結びつきを強めて人々が平穏へいおんに暮らしていくために、「上下関係」が重視され、「序列」が重要な意味を持つ。 日本社会は、人々が上下関係を維持することを要求される「序列社会」、いわゆる縦たて割わりの「タテ社会」だ。タテ社会の「序列」を決める基準は、社会的地位、年齢、経験年数、性別など。 村落そんらく社会での「序列」は、多くの人が集まる場所での「座る場所」に表れる。権力を持っている目上の人は一番上位の「上かみ座ざ」に座るなど、座順・席次に一定の決まりがある。 和室では、入り口の反対側を「床とこの間ま」といい、そこに近い所が年齢の上の人や地位の高い人が座る「上座」。入り口付近は「下しも座ざ」になる。 上下関係を重視する国民性は、発言の順序・時間だけでなく、日本語の「敬語」を発達させた。日本人の謙けん遜そんや遠えん慮りょも「序列」と関わっている。 現代のタテ社会でも情じょう緒ちょ的てきな一体感が生まれる。会社や役所では、上司が部下の結婚式の仲人なこうどをし、職場ごとの運動会や花見、慰安旅行などで、上司と部下は仕事も生活も一体となる。 共有の場での序列が決まり、「内うちの者」と「外そとの者」の区別も生まれる。

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