日本という国
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046 ※ 海岸線を呑のみこんだ「大津波」 想定外の「大津波」が「東日本大震災」の被害を甚大じんだいにした。 津波の高さが20㍍を超えた地域は南北290㌔以上にわたった。 地盤が沈降して浸しん水すい域いきが拡大し、東北地方の太平洋沿岸は多くの街が姿を消して、美しいリアス式海岸は様相を変えた。 海岸近くの崖などでは津波が斜面を駆かけ上あがり、岩手県宮みや古こ市しでは津波が遡さかのぼる遡そ上じょう高こうが39.7㍍に達した。 また、宮古市の畑はたけで、海岸の防ぼう波は堤てい近くから約470㍍運ばれた巨大な「津波石」が見つかった。重さは約140トン(幅が6.5㍍、高さが2.4㍍)と推定され、津波の威力を見せつけた。 津波は内陸まで最大で約5㌔に達し、砂などが海岸から2~3㌔まで運ばれた。 津波による浸水被害面積は岩手、宮城、福島の3県を中心に561平方㌔(日本で一番大きい湖みずうみ・琵び琶わ湖この面積の約8割に相当)に上った。 ※ 最大45万人が避難 「地震」と「津波」、そして「原発事故」のため、岩手、宮城、福島の3県の被災地で、多い時で約45万人が学校、公民館などに避難した。被災者の多くは、避難場所を変える二次避難、三次避難を余儀よぎなくされ、他の市町村や県外へ避難した。 住民の一部と役所の機能が一緒に移る集団移転も行われた。 また、内閣府などの推計によると、「大震災」当日、自宅に帰れなかった「帰宅困難者」が東京など首しゅ都と圏けんで「300万人~500万人」に上った。 ※「震災廃棄物」 地震・津波のため沿岸市町村で発生した「震災がれき(瓦礫)」は、環境省の推計で、岩手、宮城、福島3県で合計3千万㌧に上った。 倒壊した家か屋おくなどのほか、倒木とうぼく、壊れた自動車や船舶せんぱく等、ほかに、津波で海底から打ち上げられた土ど砂しゃ(汚お泥でい)が含まれる。 また、「震災廃棄物」の一部が海に流出して海底に沈んだり、海中を漂ひょう流りゅうしたりした「震災漂流物」は約200万㌧と推計される。 ※「産業」の被害と被害額 宮城、福島、岩手の3県の漁港や水産・養よう殖しょく・加工施設などが損壊したり、津波で流されたりしたため、水産業は大きな打撃を受けた。 農業の被害も大きく、津波で流失したり、冠かん水すいしたりした水田すいでんは、3県で2万㌶以上に上った。このうち、がれき(瓦礫)を撤去し、稲作いなさくのために、土ど中ちゅうの塩えん分ぶんを取り除かなけれ

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