日本という国
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090・水温ぬるむ 冬の寒さが緩んで、氷が解けて、川や池の水が温かくなること。 「これよりは 恋や事業や 水温む」(高たか浜はま 虚きょ子し) ・春の海 きらきらと明るく輝きわたり、のんびりとした穏やかな「春」の海の様子。 魚は餌を求めて泳ぎ回る。漁も盛んになる。 「春の海 終日ひねもすのたり のたりかな」(与よ謝さ 蕪ぶ村そん) ・お水取り 3月13日、奈良・東大寺の二月堂で行われる。 関西地方では、これが終わると「春」がくる。午前2時頃、大きな松たい明まつを廊下で振り回してから、井戸水を本堂に運ぶ。松明の火の粉を浴びたり、井戸水を飲んだりして病気や悪霊を払う。 「水とりや 氷の僧の 沓の音」(松尾 芭蕉) ・白しら魚うお 体長6~7㌢の半透明の細長い小魚。透き通って、形が美しいことから、「女性の美しい手(指)」を「白魚のような手(指)」などと形容する。 淡白で上品な味。吸い物、天ぷら、卵とじ、酢の物などにする。 「シラウオ」とよく似た「シロウオ」という小魚もある。 料理法はほとんど同じ。生きたままの「シラウオ」、「シロウオ」を、酢醤油をつけて食べるのを「躍おどり食ぐい」という。 「白魚の 目が見しものを 思ひをり」(加か藤とう 楸しゅう邨そん) ・春の彼ひ岸がん 「春分の日」をはさんで、前後3日ずつの7日間をいう。 墓や寺へお参りして先せん祖ぞの霊れいを供く養ようする。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる。 「何迷ふ 彼岸の入り日 人だかり」(上島うえじま 鬼おに貫つら) ・燕 気候が暖かくなると南方からやってくる代表的な渡り鳥。 家の軒下のきしたに巣を作ることが多い。 田や畑の上を飛びながら害虫を食べる益鳥だ。 「今来たと 顔を並べる つばめかな」(小林 一茶)

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