日本という国
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091・薄氷うすらい 寒さが残る春先、水の表面が凍こおって薄い氷を張る。薄い氷、つまり「うすごおり」のことだが、「俳句」では「うすらい(うすらひ)」という。 危険を感じ、不安な気持ちのことを「薄はく氷ひょうを踏ふむ思い」という。 「うすらひや わづかに咲ける 芹せりの花」(宝たから井い 其き角かく) 「会いたくて 逢いたくて踏む 薄うす氷ごおり」(黛まゆずみ まどか) ・春雨はるさめ 「春」の雨は、しとしとと長く降り続くことが多い。静かで趣のある雨。 草木を成長させ、花を咲かせる。 「春雨や 蓬よもぎをのばす 草の道」(松尾 芭蕉) ・剪定せんてい 新しい芽が出てくる前に、果樹や樹木の伸びた枝を切って整えること。 風通しや日当たりを良くして、樹木の成長を促し、良い花を咲かせ、果実の生育を良くする。庭木の形を良くするために枝を切る剪定もある。 ・木の芽 「春」になると木の芽が出てくる。可愛く、生命力を感じさせる。 「折々に 猫が顔かく 木の芽かな」(小林 一茶) 「大空に すがりたし木の芽 さかんなる」(渡わた辺なべ 水すい巴は) ・若鮎 海で育った幼魚(4~6㌢)が2、3月頃川へ遡さかのぼってくるのが若鮎。 ただ、鮎釣りは6月から本格化するので、「鮎」は「夏」の季語。 「若鮎の 二手になりて 上りけり」(正岡 子規) ・陽かげ炎ろう うららかな「春」の日に、地面から立ち上る水蒸気が、ゆらゆらと揺れて見える現象をいう。「陽炎」の漢字は、燃えている太陽の炎のように見えことから。 「陽炎や 名もしらぬ虫の 白き飛ぶ」(与謝 蕪村) ・流氷りゅうひょう 北海道のオホーツク沿岸では、春先になると、氷が溶けて漂流してくる。 広大な流氷の到来は大自然の雄大な光景だ。 北海道に遅い春の訪れを告げる。

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