日本という国
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093・蝶 厳冬期を除いて見られるが、花の多い「春」に「卵から幼虫→さなぎ→成虫」に成長していく。3月頃飛び始める蝶を「初蝶」という。 「蝶の羽の 幾度越ゆる 塀の屋根」(松尾 芭蕉) 「ひらひらと 蝶々黄なり 水の上」(正岡 子規) ・のどか(長閑) 天気が良い春の日の穏やかで、ゆったりした静かな気分をいう。 「長閑さに 無沙汰の神社 回りけり」(炭 太祗) ・菜の花 4月頃、畑一面に咲きにおう黄色い花。花と浅緑の葉のコントラストが美しい。 種からは菜種油を採り、花や葉は茹でて「お浸し」で食べる。 「菜の花や 月は東に 日は西に」(与謝 蕪村) 「菜畑に 花見がほなる 雀かな」(松尾 芭蕉) ・入学-入学式 4月上旬に小学校、中学校、高校、大学などで入学式が行われる。 満6歳になった「ピカピカの一年生」は喜びと不安を胸に、小学校の門をくぐる。 「ハイといふ 返辞むづかし 入学す」(嶋しま田だ 一いっ歩ぽ) 「入学の 吾子の緊張 われに似る」(富とみ田た 直なお治じ) ・春暁-春は曙あけぼの 夜明けの空が明るくなってくる様子。薄暗い早朝の「春」の雰囲気をいう。 平安時代の女流文学者・清少納言は、随筆「枕草子」に、 「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは すこしあかりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる」と書いている。 ・春の宵 「春」の日が暮れて、まだ薄明るい様子をいう。 夜が始まった時間。感傷的な気分が漂う。 「目つむれば 若き我あり 春の宵」(高浜 虚子)

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