中国の大学から届いた学生と先生の声

第二回・中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』 1994年 応募総数・281編 テーマ=「私にとっての日本」

両国の間に真の理解と友好を

陳 紅(雲南大学・雲南省昆明市)

 私が日本語の専攻だと言うと、よく「なぜあなたは英語の勉強を続けないで、わざわざ日本語を選んだのか」と聞かれる。初めのうち、私は「自分で選んだのではない、日本語のほうで私を選んだのだ」などと答えていた。
 私はあの戦争のせいで、日本及び日本人に深い偏見を持っていた。日本人はみな悪くて、嫌われて当然だと思った。そして、大学入試で、日本語の志願は最後にまわした。しかし、やはり日本と縁があったのか、私は日本語を専攻することになった。一年たって、クラス全体の日本語が上達し、私も日本語が分かるようになり、日本人に対する偏見を改めるようになった。
 日本が経済的に繁栄しているのは日本人の勤勉な精神、責任感の強さからだと思った。いやいや選んだ日本語も、今では逆に好きになり、一生懸命に勉強し始めた。中国へ旅行や留学などに来る日本人に中国を紹介して、両国の間に真の理解と友好を育てたいと思っている。
 日本の若者の中にも、中国に対して偏見を持っている人が少なくない。青年同士の交流を通して、互いの偏見や誤解をきれいに捨てて、さらに理解を深め二千年あまりの友好の歴史を持つ中日関係がもっと深くなるよう期待している。