中国の大学から届いた学生と先生の声

第八回・中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』(「第一回・中国、韓国、台湾の大学生『日本語作文コンクール』」として実施)
2000年 応募総数・(中国の大学から)1,439編
テーマ=「二十一世紀を迎える日本へのメッセージ」

相手の身になって、平和友好の種を!

劉愛君(遼寧師範大学大学院・遼寧省大連市) <最優秀賞>

 中日両国に限らず、世界の国々の友好と人間相互理解を深める上で決定的に重要なことは、「相手の身になって考える」という心です。まず必要なのは「相手のことを知る」ことであり、第一歩は、人と人との交流です。私は日本人の先生と接触し、日本に短期滞在した経験もあります。その一つ一つの場面から受けた感銘はいつまでも私の心に焼き付いて離れません。その時々の熱い気持ちを思い出すたびに心がいっぱいになり、中日友好のためにもっと頑張らなければ、という励みにもなります。このような草の根の交流、共に生き、共に喜んだり哀しんだりする人間的触れ合いこそ「相手のことを知る」、「相手の身になって考える」前提です。
 そして、不可欠なのは教育です。人間は受けた教育、育った環境などが違うため、  同じ物事についても違う角度から見てしまいます。そこから生じる食い違いを少な  くするために、「相手の身」になって、お互いの国の歴史、文化、心情、価値観、風  俗習慣などを両国の人々、特に若者に対して正しく伝える必要があります。何年、  何十年、何世紀かかろうとも、人づくりの教育が心の相互理解につながります。平  和友好の種を一人でも多くの人の心に蒔くことができたら中日友好の輝かしい未来  がアジアと世界に平和の花を咲かせることでしょう。

私たち若者の努力次第

李 莉(北京第二外国語学院大学院・北京市) <優秀賞>

 中日の間にある悲しい歴史を書き直すことはできないが、これからの中日関係がどうなるかは私たち若者の努力次第である。戦争によってできた心の隔たりを取り除いて、お互いに裸の真実を伝え、素直な気持ちで歴史上の、現在のいろいろな問題を直視し、それをひとつずつ解決していくことができたら、中日両国の間に、本当の友好のすばらしい未来が築かれると私は信じている。