- 【日本語教材】の感想
- 『日本語作文コンクール』の作文
- 第一回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
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『日本語作文コンクール』 - 第十五回
『日本語作文コンクール』 - 第十六回
『日本語作文コンクール』
- 『アンケート』の回答(概要)
- 「手紙」と「Eメール」
第九回・中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』2001年 応募総数・1,626編テーマ=「私と日本」
「中日友好の使者」になりたい!
陶 金(遼寧師範大学・遼寧省大連市) <一等賞>
「陶さんは英語を六年間勉強したんでしょう。一体なぜ日本語を勉強するの」。大学に入ってから、私は時々こんな質問をされます。「お爺さんの夢だったの。私もお爺さんと同じように中日友好の夢を実現させたいの」と私はいつも答えます。祖父は「歴史を忘れてはいけないけど、日本と中国は一衣帯水の間にある隣の国だから、中日友好関係を築かなければならない」と、奔走しました。家族は反対していましたが、祖父は「中国人に災難を与えたのは日本の普通の国民ではなくて、日本軍だ。中日友好は両国民にとってプラスの面がとても大きい」と話しました。
1972年、中日両国は国交関係を回復しました。私は祖父の顔を見たことがありません。祖母から祖父のことを聞いた時、私は祖父の夢を発展させるために、大学に入ってから日本語を選びました。今、私は日本語を一生懸命に勉強して、中日友好の使者になりたいという夢を持っています。
祖父の夢を深く理解出来るようになりました。中日両国の歴史は、中日友好に対して障害になることではありません。友好関係を前へ前へと進める風になるべきです。日本政府は過去の歴史を直視し、歴史の真実を国民に教育していただきたいと願っています。祖父の言ったように、日本の軍国主義者と日本の国民とは違います。中国人として、日本軍の罪業と南京三十万同胞の血涙は決して忘れませんが、多くの日本人が中日友好のために頑張っていることも知らなければならないと思います。
暗い歴史を乗り越えて
呂海善さん(北京郵電大学・北京市)
中国と日本は歴史上汚点を残してしまったが、中国を背負う若者は、いつまでも反日感情を持ち続けてはならない。中国の発展になされている日本からの援助は日本の国民の税金だ。現在日本で働き、税金を納めている人々は中国と中国人に対して、何一つ悪いことをしたことのない人々だ。私は中国人の一人として日本と日本人に感謝を捧げなければならない。私たち若者は世界の平和と発展を願う国際社会の一員として大切な役割を担っている。国際社会で重要な国である中国と日本がこの暗い歴史を乗り越えて、世界の人々に友好協力の証となるように願っている。
“かけがいのない存在”
李暁燕(大連外国語学院大学院・遼寧省大連市)
青島大学に入って間もなく、偶然に「季刊誌『日本』」という雑誌を読んだ。やや古い教科書を使っている私は、現代の日本の情報にあまり接触できないことに不満だった。『日本』は、日本の現在の姿を伝えてくれる本だと思った。辞書を調べながら、少しずつ言葉を覚えていくうちに、日本という国は遥か遠くに存在するのではなく身近にあると気がついた。「季刊誌『日本』」と、その後の「日本語教材【日本】」、そして、『日本語作文コンクール』で、私たち中国人の大学生は、生きた日本語、知識、機会、刺激、励まし、楽しみ、また自信や成長など、たくさん頂きました。大森先生ご夫妻は、長期間、中日友好に力を尽くして下さった、“かけがいのない存在”だと思います。
長い間、教材の寄贈や「日本語作文コンクール」の開催など、中日友好の種をまいてきた国際交流研究所の活動は、個人の努力と資金で行われてきた。日本語を勉強している中国の人々の心の底には、国際交流研究所のことが深く刻み込まれ、血管にもしみ込んでいる。どんどん中国に進出して中国の安い労働力と資源を利用している日本企業は、このままで中日友好を口先で平気で言えるのだろうか。日本で中日友好を唱えている人達にお願いしたい。二十一世紀の中日友好の大黒柱になる中国の学生達の期待に背かないでほしい。
戦争は共通の敵
袁 勇(北京外国語大学・北京市)
僕の生まれた町は、日本に対する抵抗が根強く残っている南京である。幼い頃、日本へのイメージは年寄りから聞いたものばかりであった。日本人は人殺しをゲームのようにし、数え切れないほどの人々の命を奪った鬼である。日本人を絶対許せないと、それまで憎み続けてた僕は、しかい、実際に日本人とつき会うようになってから、変わりつつあった。
同じく戦争の被害者である両国国民にとって、戦争は共通の敵であるはずだ。偏狭なナショナリズムから脱出して、共通の課題として考えていくべきである。それが未来に対して責任を持つことであろう。国境や民族の枠を越えて、いかにして信 頼関係を築き、戦争を根絶し、恒久的平和を作るかという課題に取り組んでいかなければならない。これこそ、私たちの未来における責任である。