- 【日本語教材】の感想
- 『日本語作文コンクール』の作文
- 第一回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第二回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第三回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第四回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第五回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第六回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第七回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第八回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第九回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第十回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第十一回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第十二回 中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』
- 第十三回
『日本語作文コンクール』 - 第十四回
『日本語作文コンクール』 - 第十五回
『日本語作文コンクール』 - 第十六回
『日本語作文コンクール』
- 『アンケート』の回答(概要)
- 「手紙」と「Eメール」
第十五回・『日本語作文コンクール』~中国の大学生、院生『一、〇〇〇字・提言コンテスト』~
2012年 応募総数・3,412編テーマ=「日中の絆を深めるには?」
スピーチのテーマ=「日中両国にとって『新しい友好関係』とは?」
農村地域の中日交流が大切
韓 福艳(安陽師範学院・河南省安陽市) <一等賞>
2010年のあの6月、日本語科を選択した私は苦しかった。私は語学、とりわけ日本語が好きで、日本語科を専攻にしようと思いました。卒業したら、日本語と関係する仕事をして、微力であっても中日の友好に貢献しようと思っていました。しかし、家族は大変驚きました。父は「どうして日本語を選んだんだ!英語でいいじゃないか。お前が日本語を勉強したら、他人はどう思うか。」と怒って言いました。私にとって大変なことでしたが、私は日本語科を選びました。後悔はないです。
中国の農村では、私のように日本語が好きな人がたくさんいます。しかし、社会の偏見で、売国奴と言われるのを心配して、大学の専攻を選択する時に、好きな日本語をやめるしかありません。これはとても残念なことです。交流計画などの活動は、みんな都市を中心に行われます。農村地域には日本語を勉強して日本をよく知りたい学生が少なくないです。しかし、日本語についての本が少ないし、社会の偏見や地理的位置の悪さもあるし、日本語を身につける条件が不十分です。多くの若者がいろんな困難を乗り越えて、好きな日本語の仕事に就くという夢を持っています。近い将来、彼らは中国の農村と日本が交流するための橋を架けることができるかもしれません。
中日友好の「絆」には農村地域の中日友好が大切です。農村地域の若者が気楽に日本語を勉強できるように、日本のご協力をお願いします。
一枚の日本国旗の絵
高 潔(山西大学・山西省太原市)
小学生の頃、美術の先生は外国の国旗を描くように課題を出した。そのころ、『ちびまる子ちゃん』がとても流行していて、テレビの前に釘付けになった。「日本の国旗が簡単でいい」と思って、描くことにした。しかし、次の日、学校で隣の席に座っている女の子は「何で日本の国旗を描いたの?日本人になりたいの。日本人はとてもひどい人だ」と大きな声で言った。「そんなのじゃないよ」と彼女に答え、その絵をカバンにしまった。後で、学校で抗日戦争について詳しく勉強し、あの時のクラスメートの気持ちがだんだんわかるようになった。また戦争映画なんかを見て、日本はちょっと怖いなと思った。確かに、戦争は中国に深い災難をもたらした。多くの人にとって、その傷を癒すのに時間がかかるかもしれない。いつも苦しかった時代を思い出して、今の平和な時代を大切にしなくてはならないと思う。
最近、当時口げんかをした女の子に会った時に、一番驚いたのは彼女が今、日本語を習っていることだった。彼女とある約束をした。――これから、日本の人たちともっと交流して、日本文化についてもっと勉強しよう。そして、いつか、彼女と一緒に日本へ行こう、と。別れる時に、私は彼女に子供の頃の口げんかの話をして、二人は大笑いになった。
日本国旗の絵はまだ家に保管してある。これからは、一枚の絵を見る度に、彼女との口げんかではなく、約束したことを思い出そう!それが中日の「絆」を深めることだと思う。
民間交流こそ「絆」のカギ
黄 茹(中山大学・広東省広州市)
日中の「絆」を深めるカギは、両国民の一人ひとりの自主的な民間交流だと思う。知ることは愛することの始まりだ。相手国の人と近くで交流して初めて相手国の文化に興味を覚え、好意を持ち、相手国のことをもっと知りたいと思うようになる。
一方、両国民はマスコミに影響されやすい。マスコミは両国民が相手国を正しく認識する上で重要だが、実際には、相手国の悪い面だけを取り上げたり、わざと相手国の出来事をねじ曲げたりする報道もある。
だからこそ、民間交流が一層大切になると思う。相手国へ旅行に行き、その国の人々と交流することで、誤解が解け、真実の姿を知り、それまでの悪いイメージが変わったという経験をした人は少なくない。マスコミに頼り過ぎず、民間交流で身を以って感じ、進んでお互いを理解しようではないか。
両国民の一人ひとりが心から相手国を認めれば、政府が「日中友好」を唱えなくても、日中の「絆」は着実に深まっていくと信じている。民間交流を通して、日中両国が、現実面も、感情の面でも、互いに掛替えのない存在となることを心から祈っている。
五輪の中日共同開催を!
易 鵬(東北大学・遼寧省瀋陽市)
私は、五輪やワールドカップのような大型国際スポーツ大会の日中共同開催を提言したい。日中国交正常化とともに、両国は経済交流を中心に政治分野でも関係が良くなってきたが、互いのことを知らなかったり、嫌いだと思ったりすることがある。時には危うくなりかける関係を修復し、「絆」をさらに深めるのに、一般国民も参加できる大型国際スポーツ大会を開催するのがいいと思う。両国の民衆が共に汗を流し、苦難を克服することで、喜びや感動を分かち合えるからだ。この分かち合いこそが、「絆」を深める最善の策だと思う。
日中国交正常化40周年の2012年に両国が共同開催の五輪招致運動準備を始めましょう。2032年、即ち日中国交60周年に実現できたら、永遠に両国友好の象徴となります。
日中はけんかもできる真の恋人だ。20年の開催準備時間は長いかもしれないが、恋人の恋愛期間だと考えればよい。恋愛マラソンを完走した後で、全世界が見守る中で最高の結婚式を挙げられるだろう。このような雰囲気の中で、日中の「絆」が深まるのは当然のことである。